論文解説『アンセリン含有サケエキス摂取による心拍変動解析を用いた抗疲労評価の検討』

解説する論文:『アンセリン含有サケエキス摂取による心拍変動解析を用いた抗疲労評価の検討』

この論文でわかること

どんなことをしたの?

【目的】

肉体的疲労だけでなく精神的な抗疲労効果を併せて検証すること

【被験品】

アンセリン含有サケエキス

【対象】

日常的にテニス運動を行う男女14名

【試験の流れと被験者選定】

二重盲検並行群間試験によって行われた。被験食の摂取期間は2週間であった。被験者14名はプラセボ摂取群6名(男性3名、女性3名)、被験食摂取群は8名(男性4名、女性4名)に群分けされた。被験食接種後2週間後にパフォーマンス試験を実施した。

【パフォーマンス試験】

球出し員が30秒間、一定間隔でコートの左右に球出ししたものを、テニスコートの目標に対して打ち返すものであった。その後、20秒間休憩するサイクルを4回行った。これを1セットとし、1セット終了毎に5分間の休憩を挟んで合計3セット実施された。

【評価項目】

アンセリン含有サケエキスの摂取による抗疲労効果について生体センサを用いた心拍変動解析により検証した。

なにがわかったの?

2週間サケエキスを摂取した状態での運動直後の脈波センサの結果では、プラセボ摂取群に比べてサケエキス摂取群の方が、運動直後の脈拍数が統計的に有意に低下し、脈拍数の上昇が抑制される抗疲労傾向がみられた。また、パフォーマンス試験前日の心拍センサを用いた24時間の心拍変動解析より、日中と睡眠時の自律神経機能の変化率は、サケエキス摂取群の方がプラセボ群に比べて睡眠時の副交感神経機能、トータルパワーが高まる傾向がみられた。本実験結果より、アンセリン含有サケエキスの摂取が、運動時や睡眠時にて、肉体的・精神的にも抗疲労効果を示唆する傾向がみられた。

論文の具体的な内容

【脈波センサの結果】

運動前に測定した1回目測定を除き、サケエキス摂取群の方がプラセボ群と比較して運動直後の脈拍数が低い傾向が認められた。全体平均においても、サケエキス摂取群のほうが脈拍数が低下する傾向がみられた。また、最終の5回目測定時では、サケエキス摂取群のほうが有意に低下する傾向がみられた。以上より、アンセリン含有サケエキス摂取群のほうが運動直後の脈拍数の上昇が抑制され、肉体的な抗疲労効果を示唆する傾向となった。一方、その他の自律神経指標に関しては、大きな差異はみられなかった。

【心拍センサの結果】

日中と睡眠時の自律神経機能の変化率を比較した結果、サケエキス摂取群のほうがプラセボ群と比較して睡眠時に副交感神経機能および、交感神経機能と副交感神経の総和であるトータルパワーが高まる傾向が認められた。このトータルパワーは、自律神経の活動量を表す指標とされており、肉体的および精神的疲労と相関しているとされている。

今回の結果では、アンセリン含有サケエキス摂取群のほうが睡眠時の副交感神経が高まり精神的なリラックスや癒し効果がみられ、かつ自律神経のトータルパワーが高まり、精神的な観点からも抗疲労効果を示唆する傾向がみられた。

【結論】

2週間サケエキスを摂取した状態での運動直後の脈波センサの結果では、プラセボ摂取群に比べてサケエキス摂取群のほうが、運動直後の脈拍数が統計的に有意に低下し、脈拍数の上昇が抑制され、抗疲労傾向が認められた。また、パフォーマンス試験前日の心拍センサを用いた24時間の心拍変動解析より、日中と睡眠時の自律神経機能の変化率は、サケエキス摂取群のほうがプラセボ群に比べて睡眠時の副交感神経機能、トータルパワーが高まる傾向がみられた。

本研究結果より、アンセリン含有サケエキスの摂取が、運動時や睡眠時において肉体的・精神的にも抗疲労効果を示唆する傾向がみられた。

まとめ

本研究は、アンセリン含有サケエキスの摂取が肉体的および精神的な抗疲労効果に及ぼす影響を、生体センサを用いた心拍変動解析により検証したものである。その結果、アンセリン含有サケエキスの摂取が運動時や睡眠時において肉体的および精神的にも抗疲労効果を示唆する傾向がみられた。

我が国においては慢性的な疲労に悩む人が就労人口の約60%にも及ぶとされている。疲労やストレスは生活の質(QOL)の低下や心身バランスの乱れを引き起こす大きな要因となる。そのため、アンセリン含有サケエキスの摂取は疲労低減という観点において非常に有用な手段であると考える。